「公民館」と「公民館的」

昨日のうめきたTalkin'About「日本の公民館にできること」には、
22名の方にご参加いただきました。
南信乃介さんは沖縄県那覇市出身で、京都精華大学・環境社会学科で
持続可能な暮らしの調査や、市民参加まちづくりの基礎を学びました。
在学中に9.11テロがあり、沖縄の観光が危機を迎えた時に、
1年間大宜味村で住み込み調査をしたり、演劇仲間と一緒に、
伊賀上野で住み込みで農業をしたりしていたそうです。
僕が南さんと最初にお会いしたのは、2005年11月。
大谷茶屋でのリュックサックマーケットに
今の奥さんと一緒に出店いただいた時でした。
そういえば、南さんはその時、野菜やお米を売っておられました。
南さんはその後那覇に戻り、繁多川公民館でアルバイトとして働き、
2014年にNPO法人「1万人井戸端会議」を立ち上げ、
指定管理者として繁多川公民館の運営に携わりました。
2012年に、エジプトの大学院で社会教育を学び、
日本の公民館に可能性を感じて来日した
モハメッド・アブデルミギード・サイードさんが、
繁多川公民館を訪れ、数年間活動に関わり、
2020年に文科省の事業としてカイロに日本型の公民館をつくりました。
エジプトでは2012年にアラブの春で政権が交替したものの、
翌2013年にクーデターにより民主政権が崩壊しています。
市民活動・民主活動を展開するのは難しい状況で、
だからこそ、話すことを否定されない場所、学びのオアシスが、
女性や若い世代にも求められていたそうです。
「日本の公民館は、いろんな人が学べるのがすごいね」
エジプトで出版社をされている方にそう言われて、
南さんたちは、日本の公民館の持つ可能性に気づいたそうです。
南さんたちはその後、日本の公民館を盛り上げる活動として
「公民館のしあさって」をスタートしています。
日本の公民館の、当たり前だけれどすごいところは、
・誰でも利用できる
・主体的にゆだねて共に創る場
・その地域特性、ニーズに合わせて変わっていい場
ことだと、南さんはいいます。
繁多川公民館には、障がいのある方も、
学校に行かないことを選んでいる方も、来られます。
そこで誰かの「やってみたい」をかなえることは、
その人のためだけでなく、そこから先の人のためにもなる。
その確信から、南さんたちは日常的に小さな実践と
寄り添いを重ねておられます。
社会教育としての枠が自由闊達な取り組みを制限したり、
子どもの貧困・孤立・防災などの新たな役割への期待の一方で、
行政内での優先順位から予算が削減されたり、
老朽化で施設が閉鎖されたりと、
公民館の置かれている状況は厳しくもありますが、
住民自治の砦としての可能性は確かにあると、
南さんのお話から、感じることができました。
そういえば最近、カフェや福祉施設などで、
「まちの公民館」と称する場所が増えてきています。
(僕が関わる「談話室マチソワ」もそうです)
そこでは誰もが尊重され、支援し支援され、教え教わる、
お客さんを作るのではなく、自分たちで運営する。
こうした“公民館的”ふるまいが、より多くの人に
共有されていくといいですね。



