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奈良県吉野町・殿川地区の将来像を描く

奈良県吉野町・殿川地区の将来像を描く


昨夜のうめきたTalkin’About「奈良県吉野町・殿川地区の将来像を描く」には、
リアル・オンライン合わせて15名の方にお集まりいただきました。

話題提供いただいた吉村耕治さんは、
大阪市北区中崎町で生まれ、堺市、和泉市で育ち、
姫路に行き、兵庫県市川町観光協会での仕事を経て、
奈良県吉野町に移住して地域おこし協力隊となり、
現在殿川地区にお住まいです。

殿川地区は、第二次世界大戦後に、
復興軍人・海外引揚者・戦災者の就業確保を目的に
全国に開かれた戦後開拓地のひとつです。
海外からの引揚者は500万人にも及ぶそうですが、
彼らが食べていける状況を作ることが
喫緊の課題としてあったのでした。
殿川の標高は約500メートル。実は今も水道がなく、
天水や湧水を使って生活しているのだそうです。

殿川の人口は、最盛期には100人を超えていました。
トマト、すいか、りんご、なし、もも、ぶどうなどの
野菜や果樹を育てて暮らしを立てていたのだそうです。
やがて高齢化が進み、子供たちは外に出ていき、
果樹はスギやヒノキに植え換えられました。
現在は常住人口8軒、人口は14人、高齢化率は64%です。

林業や紙すきや割り箸やダムなどがある
吉野の他の地区とは、だいふ事情が違っています。

殿川には、20年前に漢方薬の原料として、
山椒の木が植えられました。その数は70本。
いま、この山椒を「殿川産完熟山椒」として
売り出せないだろうか、と動き出している方がおられます。

そんな殿川地区の将来像を、どう描くことができるのか?

ローカルの側から発想すると、ここに魅力を感じて
やって来る人に増えてほしい、となりますが、
都会で暮らし田舎に憧れる人たちからすると、
全国にあまたあるローカルエリアの中で、
自分が関わっていきたいと思える場所はどこか、
という選択の問題になります。
このギャップを理解することが大事そうだと、
参加者の方の発言から感じました。

別の参加者の方は「解けない数学の問題のよう」
とおっしゃいました。医療や教育など、
生活に必要なインフラが十分にない地区において
人を惹きつける要素を、どう見出すのか?
たしかにこれは、なかなかの難問です。

殿川で生まれ育ち、完熟山椒の販売に取り組んでいる
竹内由香さんにも、オンラインで参加いただきました。

「殿川は、大きなひとつのおうちみたいな場所。
 困ったことがあれば、手を挙げれば助けてくれる」
入植者たちが苦労を重ね、暮らしを築き上げてきた殿川には、
そういう助け合いの気風が育まれているのでしょう。

8月か9月には、山椒の収穫の時期を迎えるそうですが、
そのお手伝いとして、今回のTalkin'About参加者を中心に
殿川を訪ねてみることに、話の流れで決まりました。

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